=敦煌奮闘記= 〜18日目〜
         敦煌市内での活動

 お別れの日〜其の1
8月26日。
今朝(正確には昼前・・)は、曇っては居ないけど全体的に白っぽい空。
でも、日差しがしっかりしていると言う砂漠独特の晴れ。
今日の鳴沙山、朝日も夕日もダメだろうな〜。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

夜が仕事の我々、今日の昼には、莫高窟から掃除のおじさん「老余」が、 お別れの為に莫高窟から降りて来て呉れるので、一緒に昼食をする事に しました。
注文した食事は、簡単ですがビールのアテに、餃子や餅子を注文しました。
老余は、仕事柄がら、どうしても他人が自分の事を色眼鏡で見ていると思 えて、いつも引け目を感じているらしいです。でも我々と過ごした10日 間が、少しはその感覚を癒してあげられたようで、とても嬉しかったと話 して呉れました。

 「こんなすごい技の画家に、対等に付き合って貰って・・・
  分かれてから、毎朝9時と夕方6時半になると思い出し
  て、ポッカリ穴が空いたようで・・・」

我々もそうです。
いつも彼の3輪車に乗って店舗に出掛け、終わったら迎えに来て呉れてい た老余の姿が生活のペースになっていたので、ポッカリ穴が空いたようで した。

ここでは、仕事上必要な事が幾つか発生したので、来年、再会出来る事を 約束し、沙州市場の正面でお別れしました。
お別れに抱きしめて仕舞いましたが、おじさんも何か感じているようで、 息子さんが迎えに来る予定の敦煌賓館前へ向かいながら、頻繁に振り返っ て手を振っていました。我々もお別れした場所を動かず、暫くはその様子 を見届けながら、同じく手を振っていました。
感傷に浸る事暫し、仕事の準備でスグに現実に戻った我々には、今度はお 店の人達とのお別れが待って居るのでした。
とりあえずいつものようにスタートした所、感慨に耽るヒマもない程、こ れまでにないものすごい忙しさ。
持参した材料を、少しでも多めに処分する為、オール半額にしたのが功を 奏し、客が一時たりとも切れません。全体的には客足が少なかった一条街、 殆どの客をウチで留めて締まった感じ・・・。
画家爺ぃさん、夜7時から夜中1時まで、本当にノンストップで火筆を走 らせて居りました。
店舗前を貸して呉れた店の老板(主人)も、そのバイタリティーと火筆の 巧みさと、その効果に感心しっぱなしで、「6個小時不断地画画・・・(6時 間ぶっ通しで描いている・・・)」とつぶやく有様。

たったの4日間、しかも5,6時間のお付き合いでしたが、爺ぃさんの絵の 売れ具合を見て、最初は「たかだか絵描きの実演販売、どこでもやってるわ い」ってな感じで見ていたみんなの目が、いつしか敬いの目に変わっていま した。

髭をひくつかせながら、始めは適当な態度しか取っていなかった老板でした が、翌日からは店に張り付いて、彼なりの見方で見ていたのでしょうね。「 真了不起了(本当に考えられない)」と感心していました。高齢の人間が、 しかも新疆の同郷と言う感情も有ったのか、最後の客が切れた時に、今回の 御礼にと彼らの為に描いておいた水桶を手渡した時、彼の見て呉れには似合 わず、目を赤く滲ませて居ました。

 髭の老板:「下次一定再来(次、又必ず来いよ)」
 爺ぃ/当方:「一定。看看イ尓們来(当然。皆に会いに来るよ)」

最後に店の前で記念写真を撮りました。彼らの愛犬"胖胖"も一緒に。写真を 撮り終えると、すぐに髭の老板は店の奥に消えて行きました。

帰り道の3輪バイクタクシー、外気はもう15度くらいなので、寒さを感じ ながらも、活動中に毎日手伝いに来て呉れていたPCショップの老板娘(女 性経理)、印鑑彫り師の張濟華老師・・・、今回の出店では、沢山の人との交流 や繋がりが有り、家族同士の付き合いに似た、今までとはひと味違うイベン ト参加を思い出しながら、ホテルまで帰って行きました。

敦煌・・・
たぶんこう言う内容って、皆さんとは少し違うパターンの思い出なのでしょ うが、こうして原稿を打って居ると、色々思い出して、今すぐ床に就くのが とても勿体なくて・・・。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<続く・・・>


老余メモリー 老余メモリー
老余再び。




=髭の王老板ご夫妻と愛犬”胖胖”=

髭の王老板ご夫妻と愛犬”胖胖”
髭の王老板ご夫妻と愛犬”胖胖”。


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