=敦煌奮闘記= 
莫高窟での13日間 〜4日目〜

 火筆画実演開始!
8月12日。今日も少し肌寒い朝。
鱗雲の様なちぎれた雲が空一杯に広がっています。
9層楼(第96窟)の上には、雲の帽子が形を変えながらおしゃれしています。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今日は現場表演(実演)の1日目、効果怎麼様?(結果はどのように?)・・・。
沢山の材料を一度に持って行ったので、普通10分で行ける所を20分以上掛 けて到着。
開始前、段取りを準備して呉れた相手と少し話をしていましたので、スタンバ イ時間が10時になってしまいました。観光客の第一便は逃しましたが、時間 はまだ始まったばかり。さっさと準備していざ開始〜!

セッティングしてさあ開始!と思ったら、なんとまぁ電気が落ちてしまいました。
  「停電?」
訳を聞くと、常書鴻生誕100周年記念祭イベントで電気配線をいじるので、 12時まで止めるとの事。電気がないと画家爺ぃさんの場合は何にも出来ない。 でも、この様なトラブルにはもう慣れっこなので、とりあえず12時に電気が 来れば何とかなると言う事で、時間まで気長に待つ事にしました。

で、そのイベントとは、9層楼前に舞台を作り、スポットライトを100個程 セッティング、舞台には20個以上のPA用スピーカーが鎮座し、何か派手な 公演でも有るような感じ。
訊いてみるとやはりその通りで、大きな舞台は踊舞台、色んな踊りが披露され るようで15日の夜が本番だそうです。
おかげで9層楼前での記念撮影が台無し・・・。組立式の変な大櫓が4基くらい 有って、どうしてもファインダーを濁します。

しかしこんな大がかりなセット、9層楼前に作っても良いのかしらん?
それでなくても「安静」が合い言葉のような場所に、大型PAを配置し、意味 ない踊りや、派手な音楽・・・ ・・・「不應該這様做(こんなことすべきではない) 」が、商店みんなの意見です。
さて、本番ではどんな音楽や催し物が有るのでしょうか?乞うご期待(ボクは 期待しません)。

予定通り12時ちょっと前に通電。敦煌では物事が、「普通」に進む感じで安 心です。ボチボチ国内客が見ていってくれ、何とか採算ベースのペースで進め る事が出来ました。
海外のお客さん達は、回廊縁りの通路から帰ってしまうので、回廊からわずか 20m離れたこちらの土産屋通りには、なかなか寄って貰えません・・・ ・・・。

昨日注文しておいた電源が来ていると、昼間手机に連絡があったので、町へ下 りる予定。
実演のお店が夕方の6時に終わるので、材料などを一端ホテルへ持ち帰ります。 また荷物を持って行くのか・・・と憂鬱になって居ましたが、午後、爺ぃが昨日 知り合った老余を発見、6時頃の都合を確認したら問題ないと言う事だったの で、帰りは彼の電気式3輪リヤカーで荷物を運ぶ事になりました。
明日からの出勤は、毎回彼に来て貰えると言う事です。

今日はタクシーではなく、莫高窟の写真撮影や商店の工員が市内へ行くバスに 同乗させて貰い、5元/人で25kmを移動することが出来ました。
敦煌賓館手前に停車すると言う事でしたが、他も廻ると言う事で、南街に一番 近い所に停めて貰い、PC店に直行する事が出来ました。

さて・・・期待の電源ですが、店で受け取った商品はまさしく「そのもの」で、 目の前に明かりが射した感じがしました。

  敦煌の人ってすばらしいぃ〜!!(超単純なボク)







急いで出て来たので、食事もしていませんでした。
晩飯を何にするか考え、このPC店の人に蘭州拉麺の旨いところを紹介して貰 いました。
彼女らは昨日の店も知っていました。値段から人が集まるとの事でしたが、更 に美味しい所となれば、「敦煌賓館交差点の斜め向かい、机票售票処の横の店」 と言う事でしたので、早速歩いて向かいました。

敦煌は、商業一条街と言う市内の中心に有る通り辺りを中心に、左右2,3個 の通りを含むだけの本当に小さな町なので、中心部区域なら歩いてどこでも行 けます。少々疲れたら三輪車バイクで2元くらいでどこでも行けます。
言われた所に到着したのが夜8時。店を窓越しに覗くと人が居ないので、

  「ここまずいの?」
と、一寸不安になりながらも中に入ってみると、

  店長:「すみません、釜を落としたので終わりなんです」
  爺ぃ:「わしたちゃ、ここが美味しいと聞きつけて、わざ
      わざ莫高窟から降りて来たんじゃよ。何とかなら
      んかいのう・・・?」
  店長:「OK!」
  爺ぃ:「(^^)」

その後、老板娘(女性主人)と色々話をしながら、出てきた力強い「拉麺」を 戴きました。大釜は、もう火が入らないので、小釜で茹でてくれた麺でしたが、 それでも充分いけましたので、これなら大釜で茹でた場合を考えると、かなり 期待できると思いました。
店長さんも散々「すみませんね、小釜なので味が今一つでしょ」と、始終気を 遣ってくれました。

店員もみんな気立ての良い若者ばかりで、爺ぃの話しに聞き入り、麺も褒めて 貰ったので大喜び。帰りは全員(6人)で見送ってくれました。

  うう〜ん、やはり敦煌の人は素敵!!

住所は控えて居ないので、店名などを記載しておきます。

美味しい牛肉拉麺店
     店名 : 金{金成}蘭州牛肉面
     店長 : 孫  慧
     電話 : 0937-3881469



楽しい食事が終わって、次に待っていた問題は莫高窟へ帰る方法。
どう足掻いてもタクシーしかないのですが、皆が口を揃えて言う「50元」で は絶対に帰りたくない。捕まえるタクシーは40元まで下げますが、始めに口 にした「50元」が気に喰わないと言って、爺ぃは乗りたがりません。
言い分はこう。

「こんな時間、外に客なんか居る由もなく、1時間粘っても起歩費(ワンメー ター)の客が2.3人ってなトコじゃい!勝手に流してりゃ良いわい!!」
まぁ、夜は長いし急がないので、気の済むまでやらせましょう。結局、気の良 い司机に出会えて、30元で行く事が出来ました。
でも、流石砂漠の町ですねぇ〜。莫高窟に着く15分位前から砂嵐に出喰わし、 莫高窟の関所に着くまで前が全く見えず、車も風に強く揺すられながら、20 〜30km位の低速で進みました。

何が怖いって、夜の砂嵐ほど怖いモノってない・・・と思いました。
暗くて道が見えない・・・と言うか、前が、道が真っ直ぐじゃなく、横に流れて居 るんです。何かドリフト中の車内からフロント硝子を見ている様な感じ。(こ んな説明じゃ、余計判んないですねぇ・・・)
実際は砂が風で道を横切っているだけなんですが、強風に煽られているので、 ボディーソニック宜しく、滅茶苦茶恐怖を誘います。

  ああぁ、怖かった〜。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

                           <続く・・・>
=4日目の写真集=





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