=敦煌奮闘記= 
莫高窟での13日間 〜3日目〜

 荷物が来ない!?
8月11日。今日は雲が一つも無く、空一面藍色に近い真っ青な空です。
8月の敦煌の朝は、朝の9時でも秋の早朝と同じ風の香りがします。
陽が射す角度もまだまだ早朝の感じで、頬をさす風が、一瞬夏を忘れさせて くれます。 そろそろ集まり始めた観光客も、若干肩をすぼめて歩いています。

今日の様な天気で莫高窟を撮影すれば、カタログ同様の綺麗な写真が撮れる のでしょうが、「時間」は待ってくれませんので、仕事優先、取りも直さず 町に出る事にしました。
2週間弱滞在する予定なので、この地方なら同じ天気は幾度か有りますから。

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今日は待ちに待った荷物の到着日。
上海からの烏魯木齊行き火車(T51?52?)は、朝9時敦煌站(元柳園 站)到着予定。
敦煌市にある荷物受け払い代理店に電話で確認、夕方6時に敦煌市内に搬送 されて来ると判ったし、莫高窟に居ても観光以外何も出来ないので、またま た敦煌市内へ出掛けました。PCの電源の件もあったので・・。

実は・・・今回持参したPCの電源を忘れて仕舞い、昨日敦煌市内であちこち 探しました。しかし人口15万人の小さな町、PCショップは結構有ったも のの、殆ど需要のない付属品類は、注文販売のみで常時置いて居ないと言う 事でした・・・。
危うし!ボクのPC。

それで今日もあちこち探す事にしたのです。
人に訊いて歩いて、足が棒の様に成りながら探し、“南街”と言う所に辿り 着きました。気の良いスナックのママさん風の経理さんが居るPC店のおか げで、とりあえず「注文」する事に漕ぎ着けられました。こんなの有り??運気很好!!

  「丁度、蘭州から取り寄せる便が有るから、目的のもの
  があれば明日入荷するよ。必要なら早く決めてね。」
PCの型番を伝え、出力電源量、電流量を伝えて蘭州の業者に訊いて貰いまし た。回答は「有!(有ります!)」。
大陸では逆に耳を疑うような、日本風味のこの回答〜!

  「当然要!(当然要ります!)」
回答はコレっきゃない。これでPC復活成るか〜っ!?
結果は明日のお楽しみ!商品到着を待って、現物を手にしてからで無ければ、 決して安心できないのが大陸。
だって、こんな田舎町で「注文して翌日入手」ですよ。上海ですらこんな事は あり得ないんですから。

昼飯は、甘肅省名物の「霊岩醸皮」と「霊岩涼粉」を軽く食べましたが、何か 単に酸っぱいだけの穀物粉練り物って感じ・・・。とりあえず人間の方の充電は 完了したので、荷物の届く18時までまたまた敦煌市内を散策・・・。 (勿体ないけど仕方なし)






荷物の来る時間になったので、貨運代理店に行きましたが、19時になっても、 20時になっても荷物が来ません。
これまた工作態度很好の女性責任者、トラックの司机(運ちゃん)に早速電話。 しかし、柳園から敦煌までの区間では、手机(携帯)が繋がらず、待っている だけの退屈な時間が、ただただ過ぎるだけと成ったのでした・・・。

腹も減ったし、夕飯も摂ってなかったので、とりあえず近所にあったラーメン 屋へ行きました。 南街、陽関大酒店の向かいにある「馮記牛肉面」で5元の牛肉麺を食べて、更 に待ちました。
「待つ」と言う事に慣れきっている当方、食後歩いて周りを見て居ると、夜8 時なのに、老若男女を問わず、昼間よりも沢山の人が、散歩したり、近所を駆 け回ったりしています。不思議な光景に見えるのですが、やはり北京との時間 差2時間を感じ、「やっぱ地球は丸いんやね〜」って思いました。 夜の8時でも、住民は北京の夕方6時と同じ感覚で生活サイクルを送っている んです。
まぁ、外がこんなに明るかったら、幾ら“中国時間は夜8時”と言われても仕 方がないですね。

くだらない事を考えているウチに、やっと司机に連絡が取れ、変速機故障で修 理屋に居たと判明。(連絡せぇえええっちゅうねん!!・・・後で考えて気が付い たのですが、道端の修理屋だから電話が無いのかも・・・あり得る。)
朗報が夜9時過ぎに判って、荷物が届いたのが9時半。スグそこまで来ていた んですね〜。(そんでも手机の電波届かんかったんかな?)
早速、交渉して置いたタクシーに5個の荷物と、待っている間に買い込んだ食 糧を積み込んで、莫高窟に向けて登りました(現地の人風に言うとこうなりま す)。
夜10時に莫高窟へ行っても帰りの人は拾えないので、タクシー交渉は40元 でした。昼間なら、通常片道30元と言うのが相場です。
大抵は往復換算弱になるので、50km40元なら仕方なしかな・・・。

昼から28℃くらいになったのでしょう、荷物を待っているだけで、少々暑さを 感じました。荷物を待っている間、荷物代理店責任者のおばさん、気を使ってく れて、葡萄に西瓜、それにお茶等を出して呉れ、何かとても平和な待ち時間でし た。
大陸だと、他の所だったら事務所等で待っている時などは、微妙な緊張感がある のに、それが全く無かったです。人に接するたびに別地には無い、「人」を感じ ます。
(え?そうじゃなく、アンタが現地人化してるだけだって??放っとけぇ〜(`´#)

ホテルに戻るともう夜10時。
部屋に入ると急に疲れが押し寄せて来て、何にもする気がなくなって、窓越しに 見える莫高窟の“夜景”を、少し部屋から眺めてからご就寝・・・。
しかしコレって、敦煌で他のどんな高級ホテルでも味わえない超級鋪張(超贅沢) だと思いました。


おまけ:
夜の莫高窟には、街灯のようなランプが点灯しており、誰もいない下町通りの様 な光景です。
オレンジ色に灯ったランプが織りなした光景が、星空に照らされただけの砂漠の 山に、輝いて浮かび上がっています。敦煌市内から登ってくると、関所がある手 前くらいから、この光景が見えてくるので、もうすぐ到着することが判かります。 夜に敦煌市内から帰ってくる時は20分くらい暗い闇を走るので、近づいた時の この瞬間が、すごく神秘的で良いです。(^^)v


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                            <続く・・・>